MANRICO CASHMERE(マンリコ カシミア)、そのクオリティの秘密とは??
オンライン担当の西出です。
引き続き、伺ったMANRICO CASHMERE(マンリコ カシミア)のファクトリーについて。
昨日はちょっとした導入部でして、本題は今日のこのエントリになります。
それにしても、歳のせいか胃腸の調子がすこぶる悪い・・・汗
食べたものの消化が食事に全く追いついていない感じです・・・
これは室内から見える庭?みたいなスペースなんですが、オリーブの木がたくさん植えられています。
日本ではこんなにゆとりを持って敷地を使うことはほぼないと思いますので、あらためて資金力を感じます。
ということで、そろそろ本題に。
まず案内されたのは糸のストックルーム。
あまりにも広大です。
人間の数に対する面積が全く合っていないような気がしますが、MANRICO CASHMEREではこれが当たり前。
で、続いてはニッティングマシンを。
ニット関係では圧倒的なシェアを誇る島精機と、ドイツの会社のマシンを使用しています。
このスペースでは島精機を使っていて、ニットの種類に応じて使い分けています。
ハイゲージのマシンは糸が細く編みも細かいので、編み上がりまで時間がかかります。
糸がどんどん送り込まれています。
こちらはローゲージ。
ハイゲージマシンにくらべ、編み針のサイズは当然ながら大きくなります。
編み時間はハイゲージより速いですが、使用する糸の分量が多くなりますので、価格は上がります。
ニットマシンで編み上げられたパーツを、リンキングマシンを用いて繋いでいきます。
このドラムのようなマシンには無数の針が付いていて、編み目ひとつひとつに針を刺していくという恐ろしく手間と労力、そして集中力が必要な作業。
このギザギザに編み地を刺していき、パーツを繋げていきます。
ミシンでガガガと縫い合わせるより圧倒的に手間がかかります。
ここではボディにポケットを付けています。
こんな工程なので、ポケットが付くだけでグググッと価格が上がってしまうんですね・・・。
で、検品です。
しっかり検品し、直せるものは直します。
白いニットには糸くずや埃が入っているとかなり目立つので、めちゃくちゃ入念に除去されています。
ひたすら目を整え、塵を浮かび上がらせ、コロコロで除去。
くり返くり返し行うことでクオリティが保たれています。
で、ここからは洗いの工程。
製品のフィニッシュに大きく影響する洗いの工程、ここにMANRICO CASHMEREのプライドが詰まっているわけです。
なので必然的にテンションが上がるわけですね。この部屋に一番長く滞在していたと思いますし、案内してくれたサウロさんのトークも最もヒートしていたように思います。
大型のマシンで洗いをかけています。
まずはドライクリーニングをかけることで汚れや糸くずなどを落とし、洗いをかけて乾燥させます。
ニットの糸は出来るだけ水に浸けている時間を短くすることでダメージが抑えられ、クオリティが上がるそうです。
そうすることでふわりと仕上がるんですが、その乾燥方法にも並々ならぬこだわりが↓
なんと、驚きの自然乾燥です。
世界の名だたるメゾンブランドのニットも手掛けているファクトリーなので、クオリティの追求に余念がないとのことですが、ここまでこだわってフィニッシュをしているブランドは他には無いそうです。
輸入代理店の神藤氏も「ここまでやってるブランドは見たことない」と仰っていました。
で、洗う前と乾燥させた編み地の比較。
全く風合いが変わっていて、物凄くソフトになっています。
ラストは出荷施設。
やはり広大です。
という感じで視察は終了。
製造工程は特にそこまで他のニットブランドとは変わらないと思いますが、とにかくニットにストレスをかけない事を心がけ、それが最後の出荷まで貫き通されています。
ここまでやっていると、そら数作られへんな・・・というのが率直な感想で、だからこそ仕上がった商品に圧倒的なクオリティが宿っているんですね。
社長曰く、ニット界のパテックフィリップを目座す・・・とのこと。
これからさらにクオリティを倍レベルにまで伸していきたいとの野望を語りつつ、昼食を頂きファクトリーを後にしたわけです。