世の波に流されない矜持。
ELACIO(エラシオ)2025F/W #1
オンライン担当の西出です。
フランス製をメインに展開しているカットソーブランドELACIO(エラシオ)。
ブランド自体にはフランス製以外もあると聞いていますが、日本で展開しているアイテム群は全てフランス製になります。
そもそもフランス製の製品というものは洋服に限らず結構減っている様に思うんですが、それだけにプレミアム感があるように感じますよね。
私世代ですと、憧れ中の憧れと言っても過言ではありません。
若い世代の方ですとどうでしょう?
価値観は全く変わっているかもしれません。
実際のところ、フランス製だから素晴らしいということは多くの場合ありません。
工場自体が少ないですし、職人も少ない。
今でもフランス製の評価が高いのは、HERMESやHERMES製品の製造をになっているファクトリーが素晴らしいから。
つまり、HERMESのクオリティコントロールの賜物です。
ですが、その分工賃は高いですし、熟練職人に至ってはなおのこと。
今やメゾンブランドではないところでフランス製にこだわっているのは日本人だけかもしれません。
ですが、このこだわりこそが物作りを大切にしている国民性の証とも考えられるわけで、私自身は誇りに思っている部分があります。
聞くところによると、若い人がスタートしたブランドはフランス製も結構あるみたいです。
これを聞くと若い人の方が生産や素材にこだわりがある・・・と思いますよね。
そういった部分がないわけではないそうで、サステナビリティに対する思いはやはり上の世代よりも強いそうです。
ですが、フランス製になっているのはそういった思想てきなことだけでなく、とても現実的なことが起因しているそうです。
それは、最新の機械を買えない、あるいは最新の機械を持っているファクトリーに生産を依頼するほどのロットが組めないといった、ブランドをスタートするに当たって必ずぶち当たる壁、そう、お金の都合です。
なので、スモールサイズでスタートするために手の届く価格の中古の古い機械を買い、ホームメイド的に小ロットで自分たちで生産をするしかない・・・ということだそうです。
これの言い方を変えると
こだわりの旧式の織機を用い、時間と手間暇をかけて、ゆっくり一点一点目の届く範囲で管理しながら職人が生産している
という表現になります。
どうですか、この表現の自由は・・・汗
言葉による多彩で豊かな表現というものは、人間だけに許された崇高なる叡智の結晶ですね・・・汗
何に価値を感じるかは人それぞれ。
私たちとしては、どんな過程であるにせよ空気感とクオリティを備えたアイテムが好きなので、細かな事情は関係がない・・・とは言いませんが、生産背景、思想に共感し、仕上がった製品が素晴らしいと感じ、店のラインナップと合致する様ですとセレクトします。
ちなみに、つらつらと書いてきましたが、ELACIOは50年ほど前に創業したファクトリーブランドで、自社工場で生産を行っているので上記の事情とはことなります。
ではなぜ書いてきたかといいますと、ほとんどの場合コストの関係で第三国生産に移行をするわけですが、長きにわたりフランスの自社ファクトリーを維持し続け、生産を続けている矜持があるブランドということを伝えたかったんです。
恐らく経営危機的なものも何度もあったと思います。
ですが、ファクトリー自体を存続させる経営力、生産力、商品力があるというのは本当に珍しいので、真の意味でのフランス製と言えるブランドだと私は感じています。
そんなことから、数年前にビッグメゾンからカットソー生産の依頼が来そうで、作っているそうです。
そういった背景からくる複合的なフランス的ニュアンスが、ELACIOの製品には備わっていると思うんですよね。
日本製、イタリア製、ドイツ製、ポルトガル製、トルコ製、中国製、東南アジア製。
この辺りがカットソーでは多いんですが、それらすべての空気感とは違ったものがELACIOの製品にはあります。
仕入れの関係上本当にいろいろなブランドのカットソーを比較していますが、上質さと力の抜け加減のバランスが良いのがフランス製であるELACIOの魅力だと思います。
モックネックのスムースジャージMoselモーゼルは肌触りが良く、上品さを備えた一着です。
カジュアルに着るも良し、ウールパンツにタックインしてジャケットのインナーに使うも良し。
シャツのインに着てネックレイヤードを楽しむのも良いですね。
PRICE:17,600yen
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ハーフジップの裏毛スウェットCherシェール。
スポーツスウェットデザインで、近年のヴィンテージメガブーム以前から古着が好きな方が注目しているデザインです。
特に古着からインスピレーションを得ることが多いデザイナーさんが着目し、自身のブランドのコレクションにインスパイアされたアイテムが組み込まれたりしていました。
古いジップスウェットはもっとクタッとしていて襟もヘナっとしているものが多いですが、現代的な解釈でバランスを整えている物が多い印象です。
ELACIOはあくまでもアスレチックなスタイルは崩さずに、良い意味で洗練され過ぎていないバランスに仕上げられています。
フランスブランド全般に言えるように思いますが、どこまでも洗練され過ぎていないというのがキーになる様に思います。
もちろん、トップメゾンのアイテムは総じて洗練されています。
ですが、デイリーウェアのブランドは洗練され過ぎることを望まないことが多い様に感じます。
それは長きにわたってDNAに刻まれてきた階級社会の影響があるのかもしれません。
貴族、平民、どちらがどちらを見てもお互いとは違うという認識がある。
それは差別意識というものではなく、明確に世界が違うということを意味しているわけで、装いにおいてもその影響があるのではないでしょうか。
小ぶりなジップなんですが、こういった細やかなセンスは素敵です。
日常を豊かにするちょっとしたこだわりのディティール。
気持ちが軽く、毎日が楽しくなるような気がしますよね。
で、ELACIOの長袖アイテム最大の特徴がこのディティールです。
リブカフなんですが、ボタンで開閉できるようになっています。
これが、長袖のカットソーに共通するディティールでして、先のMoselにも搭載されています。
エスプリ(esprit)はフランス語で「精神」「知性」を指し、とりわけ、批評精神に富んだ軽妙洒脱な表現、当意即妙で端的な才気、あるいは溢れんばかりの機知といった意味も含まれるそうですが、ファッション的にいうと特に“知性”と“軽妙洒脱”のミックスバランスという所かと思います。
カジュアルでスポーティなアイテムであるカットソーやスウェットに、ちょっとしたドレステイストとデザイン性を加える辺りがフランスブランドらしいエスプリですね。
品性を感じると言いますか、このディティールはデザイン的にとても効いていると思います。
PRICE:31,900yen
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オフ過ぎないオフタートルMeuseマース。
Cherと同じ裏毛のスウェットで、ネックが少し緩く、高さも控えめなタートルネックデザインです。
ネック以外は同じボディが用いられています。
緩くそのまま着るも良し、折り返してスッキリさせるも良しという塩梅で、お好きにどうぞ・・・という感じ。
シャキッと上品に着るならハイゲージのニットタイプのタートルをお選び頂ければと思いまして、このスウェットのタートルは完全に抜け感重視ですね。
アクティブでアスレチックな生地でありながらちょっと珍しいタートルネックになっていて、袖はELACIO共通のボタン式リブ。
軽妙洒脱であります・・・。
トレンチコートやバルカラーコートのインナーに着て、颯爽とパリの街を歩く・・・ことはなかなか出来ないと思いますが、冬のタウンウェアとして他とはかぶらずに、素敵なパリジャンスタイルを楽しんで頂ける一着だと思います。
個人的には大好きなデザインです。
PRICE:31,900yen
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