物作りに対する姿勢を知る。
SERAPHIN(セラファン)2025F/W #1
オンライン担当の西出です。
今日のブログからタイトルに一言添えてみました。
特に意味はありませんが、少しでも興味を持っていただけたらな・・・という気持ちです。
で、SERAPHIN(セラファン)です。
gujiでは創業まもなくから取り扱いをスタートしているブランドで、その時はPittiのブースでオーダーをしていました。
ここ数シーズンPittiにはいっていないので、フランスの工房の上の社長室?兼サンプルルームでオーダーをしています。
中は撮影禁止なので、内容が全くない動画ではありますが、雰囲気だけでも・・・と。
オフィシャルサイトのLeather roadというコンテンツには若かりし頃の社長の写真と、いかに足を使って原皮を調達しているかがわかる写真が掲載されています。
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Founded in 1975 and located in central Paris, Seraphin is unique among European luxury marques. One of the last remaining French menswear luxury leather ‘manufactures’ to use traditional artisanal skills; it operates from historic workshops on the Quai de Valmy where the tanners and leatherworkers of Paris were located in the time of Napoleon.
Seraphin sources skins from the world’s most exotic locations: Sudan for crocodile, Laponia for elk, Eritrea and Ethiopia for lambskin, Pennsylvania for deer, Hunza Valley for goat, Mongolia for yak, Canada for Caribou, Sami country for reindeer, Sahel for metis, Icelande for eider down… Skins are drum dyed and Seraphin eschews any artificial finish, preferring instead that the skins retain their natural qualities and original handle. At Seraphin the natural individuality of each hide is celebrated rather than disguised and each garment is designed and made to showcase the character of the skin from which it has been crafted: whether the rugged skin of hardy mountain goats or buttersoft, featherlight silky shearling so smooth it feels like mink.
But while the skins are the best from all over the world, the skill and flair with which they are worked is uniquely French. Over the course of almost forty years the ‘manufacture’ has built an unrivalled reputation for quality and design that has made it a favourite of discriminating men the world over, who appreciate the luxurious masculinity of the house.
1975年に設立され、パリの中心部に拠点を置くセラファンは、ヨーロッパのラグジュアリーブランドの中でも独自の存在です。伝統的な職人技を継承するフランス最後のメンズウェア・ラグジュアリーレザー「マニュファクチュール」の一つであり、ナポレオン時代にはパリの皮革職人たちが集まっていたヴァルミー川岸の歴史的な工房で操業しています。
セラファンは、世界中で最も希少な地域から皮革を調達しています。スーダンからクロコダイル、ラポニアからヘラジカ、エリトリアとエチオピアからラムスキン、ペンシルベニアからディア、フンザ渓谷からゴート、モンゴルからヤク、カナダからカリブー、サミ地方からトナカイ、サヘルからメティス(羊とヤギの交配)、アイスランドからアイダーダウンなどです。皮はドラム染めされ、セラファンは人工的な仕上げを一切行わず、皮の自然な質感と本来の風合いを保つことを重視しています。セラファンでは、各皮の自然な個性を隠すのではなく、その個性を称賛し、各衣服は、その皮の特性を引き立たせるようにデザイン、製造されています。ハーディな山羊の頑丈な皮も、ミンクのように滑らかで、バターのように柔らかく、羽のように軽い、絹のようなシープスキンも同様です。
しかし、世界中から集められた最高級の皮革を使用している一方で、その加工技術とセンスは、フランスならではのものです。40年近くにわたり、この「マニュファクチュール」は、その品質とデザインで比類なき評判を築き上げ、その豪華な男らしさを評価する、世界中の目の肥えた男性たちに愛されています。
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自分の目を信じ、世界を飛び回り流通経路を作り上げてきたたたき上げのブランドでして、製品のエレガントなルックスからは想像できない、良い意味で土に塗れたものづくりがなされています。
私たちはいつもSERAPHINのレザーを形容する際に
“世界一のレザー”
とお伝えしていますが、本当に革のクオリティに特化しているブランドなので、そのように表現している次第。
もちろんデザインやこだわりのディティールなど、語るべき部分はいくつもありますが、唯一無二の魅力、特性を表現するとなるとレザーのクオリティ、これに尽きるブランドです。
一般的なハイクオリティなレザーウェアですと、今は15万前後が多いですかね。
さらに突き詰めたハイエンドなブランドですと30万〜、品質とデザインにこだわったドメスティックブランドも20〜30万くらい。
少し前は10万ちょっとというところがラインになっていたと思います。
これを下回ると革の質が担保されない。
上回っていると担保されている。
これが基準となり、その後デザインや縫製といたブランドそれぞれの提案の違いを見ることになります。
なので、10万以下、今では15万以下というプライスゾーンのレザーウェアは革のクオリティはそこそこに、強くファッション性を打ち出していることが多いです。
それはシルエットであったりデザインであったり、トレンド感というものがキーワードになるブランドが多くなります。
あので、ファッションとしてレザーを着たいという思いが強い方ですと、この価格帯で探されると自由度が高いと思います。
15万を超えてくると、クオリティが担保されるブランド群になります。
クオリティが担保されるということは、長く着続けて欲しいという意図も含まれてきます。
そうすると、ベーシックでスタンダードなデザインが多くなるのがまず大きな傾向になります。
いわゆる「今っぽい」タイプになると、意味を裏返すと「飽きやすい」と考える方もおられますので、普遍的なものが求められるのは自然の摂理かな・・・と。
まずはご自身が、どのタイプのレザーをお求めかを定めて初めてレザーウェア探しの旅は始まると言っても過言ではありません。
SERAPHINはそれらのレベルと超えたところに存在する唯一のファクトリーブランドだと思います。
ラグジュアリーメゾンのスペシャルなクリエーションを求めるか、ファクトリーブランドのクオリティを極めるか。
後者において、SERAPHINは最終地点といいますか最高地点であると私たちは考えています。
まぁ、いくつかのブランドの製品を実際に作っていて、それは先程の話の前者になるんですが、つまり、どちらに転んでも結局SERAPHINになります・・・という話。
本当にスペシャルであり、価格も価格なので存在自体がかなり希少といえます。
gujiではコロナ禍での渡欧ができなかった毎シーズンを除き、必ずオーダーをしています。
毎シーズンだいたい2〜4型といった感じで、想定している予算と製品の価格次第で変動する感じですが、今シーズンは2型。
つ・ま・り、高かったんです。オーダーしたかったのが・・・。
その際たるモデルがこちら、カーフヌバックの襟付きブルゾンです。
昨シーズン“GOLFEURゴルファー”というモデルで採用した革と同じなんですが、これがまぁ色といいタッチといい素晴らしいわけで、おそらく今後もこの素材はなんらかのモデルで採用を続けると思います。
SERAPHINのクオリティが基準になると、他の革が全て「まあまあ」に感じてしまうようになる危険な副作用があります。
美味しいご飯屋さんに行きすぎて、20代の頃に足繁く通った居酒屋が微妙に感じる・・・みたいな 汗
なので、手にされる際は十二分にご注意を・・・なんですが、とにかく素晴らしいクオリティです。
で、こちらはさらに身頃のライニングにカシミアのハリスツィードが用いられていまして、それが価格をグッと押し上げる要因になっています。
スリーブ裏はいつも通りのシルクなので、全面シルクですとおそらく50万くらいだったかなと。
そうするともう1型いけたかな・・・と思いますが、こちらはこのライニングがあってこそのものだな・・・と感じたので、泣く泣く1型削って2型オーダーとなったというわけです。
スペシャルをお届けするには勇気と予算が必要です・・・涙
防風のリブスタンドカラーがセットされていて、左脇裾はジップで開くようになっています。
カーコート、ドライビングジャケットというディティールですね、ちょっと肌寒くなってきたくらいのオープンカーがとても似合う一着だと思います。
このライニングの色・・・。
もさい・・・、もとい、クラシック。
洗練されたクオリティでありながらカントリー的な土着感があり、とにかくプライス以外人間味あふれる仕上がりになっています。
普通はミンクとかオリーブとかグレージュとか、単色の上品な色のライニングにすると思うんですが、こういうギャップがひとつSERAPHINの魅力になっていて、洋服好きにはたまらないのではないでしょうか?
PRICE:748,000yen
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お馴染みのラムレザーを用いたブルゾン、今シーズンはスポーティなリブスタンドカラーブルゾンにしました。
長くシングルライダースでご用意していたんですが、ちょっとシルエットがシャープすぎて今ではややキザかな?という印象なので、軽やかでカジュアル感を漂わせるデザインでご用意しています。
ボマー系、フライト系をチョイスすることがやはり多いですね。
この価格帯になると、他に気に入ったものが出てきて買い替えよう・・・と思わないものをご用意するように努めていますので、どうしてもベーシックで普遍的なタイプが多くなります。
すいません保守的で・・・汗
このしっとりとした、マットで滑り感のあるタッチのラムレザーは過去SERAPHINでしか触ったことがないクオリティです。
なんといいますか、生っぽいんですよね。
コーティングされていない、生の状態。
皮の自然な質感と本来の風合いを保つことを重視している というのはオフィシャルサイトからの引用ですが、まさにそんな感じ。
体温は感じないですが(当たり前ですが)、生きているような気さえしてしまう、そんな表面感。
本当にオンリーワンです。
オンリーワンは多くの場合でナンバーワンである・・・ということかと。
あまりにもナチュラルなタッチなので、早くからクリームなどを塗り混むと染み込みすぎるという懸念点はあります。
どのように製品と付き合っていくか?というところかと思いますが、あまりケアのことは気にせずに、特に何もせずに扱って経年変化を感じながら、その時その時で対処していく というのが正解かと。
SERAPHINのウェアのジップの引き手は全てこの仕様になっています。
フィールドワーク系のジャケットをお持ちの方であればピンとくると思いますが、グローブを装着したまま開閉しやすいように、引き手が大きくなっています。
タフなブランドですとよりしっかりと摘みやすく・・・となりますが、SERAPHINはあくまでもタウンユースを想定したエレガントな路線なので、結構華奢なデザインになっています。
この華奢さと曇りのない輝きこそがSERAPHINのバランス。
キラッキラのジップなんですが、不思議と落ち着くといいますか上品に感じるんですよね。
不思議です。
キラキラとギラギラの違いという感じでしょうか、これもフランスブランドの美意識の成せる技かと思います。
そんなこんなのSERAPHIN、シルエットは全体的に細身になります。
上記のヌバックタイプも、こちらのブルゾンタイプもそうでして、アームも比較的シャープなタイプになります。
今っぽいか?と聞かれると、繰り返しになりますが今っぽくありません。
ですが、これはこれで完成されている、そう感じさせるのに十分なシルエットバランス。
何せ、終いのレザー。
おいそれと「着れなくなったな・・・」とは言わせない、圧倒的な完成度があります。
オーバーミドルになってくると誰もが抱える問題の一つ
健康
体型維持も健康の維持増進につながりますので、そういった意味合いでも長くき続けられるウェアは大切にしたほうが良いように思います。
ただでさえオーバーサイズ、ビッグシルエットは色々な感覚を麻痺させますからね・・・
研ぎ澄まされている・・・という表現が似合うレザーはやっぱりSERAPHINです。
一応表題には「#1」と書いていますが、SERAPHINのご紹介は今シーズンはこれで最後になります。
最初で最後、品番数が少ないブランドはどうしてもこうなってしまうんですが、また来年紹介できる時が待ち遠しくて仕方ありません・・・。
PRICE:572,000yen
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