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2016.02.03

2016 FW Pre-Collection REPORT
TAGLIATORE編

Buying report

2016 FW Pre-Collection REPORT<br>TAGLIATORE編

 

2016年の秋冬アイテムのプレコレクションが始まりました。毎度のことながら、まだ春アイテムの入荷もスタートしたばかりですが、その模様の一部始終をリポートしたいと思います!!
今回は初めての試みということで、gujiバイヤー陣がどのようにトレンドの流れやブランドの提案を吟味しつつオーダーするアイテムを選んでいるか・・・をお伝えしたいと思います。

 

先ずスタートは、シーズンの流れを占う意味でも重要なTAGLIATOREのショールームにやってきました。

 

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いつものトルソーをチェックするバイヤー岩佐

 

TAGLIATOREは社運を左右する重要なブランドの一つですので、じっくりと輸入代理店の営業担当者の方からブランドのシーズン提案(2016F/W)の説明を受けます。 2015年から2016年のS/Sの流れを思い出しながら、2016年F/Wの新しい提案をgujiにどのように導入するか・・・を考えながら慎重に耳を傾けます。
僕たちのスタイルは、トレンドがシーズン毎に変わりながらも劇的に変化を遂げるわけではなく、緩やかに移行していくという性質を持っていますので、いかにスムーズに新しい提案が出来るかがカギになります。

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差し色のターコイズ

 

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差し色のベリー・ボルドー(明るめ)

 

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差し色のブルー(明るめ)

 

今回のTAGLIATOREの提案はシックでクリーンな雰囲気は引き続き継続で、格子の配色に変化を付けたコレクションになっていました。 生地の色は比較的落ち着いたものになり、そこにターコイズ、ボルドーやベリー系、明るめのブルーなどが差し込まれたものが多く、トレンドを牽引してきたTAGLIATOREの世界観をより進化させ、引き続き盤石の人気を誇ること間違いなし・・・と思わせる圧巻のコレクションになっています。
日本で販売されているイタリアブランドは、イタリアではあまり有名ではなく、日本でのみ有名で人気がある・・・というところも実は少なくないのですが、TAGLIATOREは本国はもとより日本、そして世界でも人気を博している稀有なブランドですね。

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TAGLIATORE代表のPINO氏の胸はデスクワーク中もはだけている

 

イタリアの業界紙で数ページにわたり特集が組まれており、その中にPINO氏本人が登場しておられました。 氏はデザイン、生地のディレクション、パターンメイク、縫製、更には自社工場による生産ラインの統率まで全てこなすことが出来る、業界でも珍しいオールマイティーな「スーパーマン」です。

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はだけた胸とメガネがトレードマークである

 

ブランドとともに氏のファッションも常に注目されており、彼は多くのスナップ本やスナップサイトに登場する稀代のファッショニスタでもあります。 はっきり言って濃いです・・・、が、濃いのに心地良い、その濃さがむしろ気持ち良い・・・そんな雰囲気を感じさせるのはこの出で立ちにもかかわらずすこぶる紳士でシャイ、そしてはにかんだ笑顔がキュートだからかもしれません・・・。

 

サンプルチェックの時間です。

 

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とにかく触る代表田野とバイヤー岩佐

 

提案のレクチャーが終わると、用意されているサンプルを実際に触り、また試着したり香りを確かめたり、入念にチェックします。 コレクションをざっと確認し、試着した時に心が動かされるか、グッとくるかが非常に重要なポイントです。

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とにかく着まくる代表田野と触る高階・岩佐両バイヤー

 

TAGLIATOREのジャケットの型は数パターンあり、サンプルで用意されているものの大半は一番人気で定番のMONTECARLOです。 試着を繰り返しながら細かな着心地に変化がないか確認したり、生地の特徴を掴みます。 かなりサンプルブースと鏡の前を行き来します。

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真剣な顔で同じジャケットばかり見るバイヤー岩佐

 

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コートのコレクションも充実、着丈は少し長めになる傾向に

 

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極太畝のコーデュロイは意外と軽い!!

 

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バイヤー岩佐の目の奥が鋭く光る

 

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ジャケットに比べほんのり真面目なスーツのコレクション

 

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新型の4釦ダブルジャケットも鎮座

 

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新たな提案に外せない役割の、ニューコレクションのパンツシリーズ

 

かなり盛りだくさんのコレクションの中、複数の新型や新たなパンツコレクションが発表されていました。 特にパンツのコレクションは大きな可能性を感じさせるものとなっており、既存のスタイルにとらわれない新たな着方の提案がありましたので是非お楽しみにして頂ければと思います。 ちなみにパンツのみ弊店でも馴染みのあるBERWICH謹製であり、その辺りに提案のヒントが隠されているような、いないような・・・(謎)

 

そして大量の生地スワッチの中から吟味に吟味を重ね、オーダーする生地を検討します。

 

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営業担当浜中氏とお客様に店頭でご覧頂けるよう生地スワッチを撮影するバイヤー岩佐

 

TAGLIATOREは弊店の中でももっともオーダー量の多いブランドですので、力が入ります。
しかも生地のセレクションに定評があるだけに、今後オーダーが控えているブランドの傾向にまで影響が及ぶ一大仕事であり、最も多くの時間を使います。

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誰が選ぶねん・・・というボタンも実はある

 

TAGLIATOREはボタンを自由に選ぶことが可能です。 釦見本も多くあり、中には謎のボタンもありますが、生地を確認しながら仕上がりをイメージし、ボタンを決めていきます。
地味ですが非常に重要な仕事であり、何気にしんどい作業です・・・(汗)
そしてオーダーする数量を決めて、めでたく発注!!という流れになります。

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ショールームで使用されている、ブランドの世界観が詰まったSカン

 

ちなみに、ブランドの世界観や雰囲気に、確実に大きな影響を与えるものがこの手の什器やディスプレイ小物です。 こういった世界観を構築しない、昔ながらのサルトブランドなどもまだまだ多くありますが、やっぱり洋服は視覚的に楽しむ部分も多分にありますので、こういったこだわりを持つブランドは素敵ですし、逆説的ですが、ディスプレイが素敵なブランドはかなりの確率で商品も素敵です。

 

―最後に―

 

いかがでしたでしょうか。 いつもBLOGでご覧頂いている出張報告エントリーはバイヤーの語りになりますので、こちらではお役立ち情報や重要な何かがあるわけではございませんが、現在は2015F/Wシーズンのセール真っ只中ですので、今回チラッと映っている画像の雰囲気を考慮しながらセール品を探すと次の冬は早くも安泰かもしれませんね・・・。
とにかく、意外と真面目に仕事をしている姿を社内外にアピールするために、第二弾、第三弾と続きますのでよろしければこれからもお付き合いくださいませ・・・(汗)